本年最後を飾る写真は、出雲の「八重垣神社」で購入した、素戔嗚尊(すさのおのみこと)と櫛稲田姫(くしいなだひめ)。
今年の初め(去年末?)TVで某有名占星術師のH木さんが(某……の意味があるのか?)、
「女性は神社で柏手(かしわで)を打ってはいけない。その証拠に皇族は柏手を打たない。また、神様は金気(かねけ)の物と女性を嫌うので、女性は静かにお参りする」
ということをおっしゃっておられ、それに女性キャスターたちが大いに賛同していたことから、今年の正月の神社では少々混乱があったらしい。
「皇族」の方がされないから──という理由を持ち出してしまうと、私たちは門松なども立ててはいけないことになるし、「柏手」に関してはまた思うところがあるので、敢えてこの場では突っ込まない。
しかし「神様は金気の物と女性を嫌う」というようなことを、堂々と人前で言われてしまうと泣けてくる。
次々回作の『カンナ 吉野の暗闘』でも、たまたまその話にチラリと触れるのだけれど、では神様が本当に「金気」を嫌うというのならば、どうして本殿(拝殿)正面に「賽銭箱」が設置されているのか?
また「女性」を嫌っているのならば、何故、巫女さんたちが神社内で奉仕しているのか?
ちょっと考えてみただけでも、全く理屈に合わないだろう。
ここで少しだけ神と女性に関して書くと、昔は女性たちも、現在「女人禁制」といわれている山の中に男性たちと一緒に入っていた。そしてその痕跡もきちんと残っている。
ところが「ある時」を境にして、突然立ち入り禁止になってしまったのである。もちろん原因は「神の怒り」などではない。
では、その理由は何か──。
ということなども『吉野の暗闘』で今書いているのだけれど、これだけでもいわゆる「本格ミステリ」だぞと思ったり思わなかったり……。
そういうことでみなさん、お正月は例年通り普通にお参りしましょう。ちなみに恵方は甲で、東北東です。
ではでは、良いお年をお迎え下さい。