去年、親戚の法事に行ったのだが、密教で執り行われたため、全てがとても興味深かった。特に、僧侶が最後に唱えた、
「オン・サラバ・タタギャタ・ハンナ・マンナ・ノーキャロミ」(多分……)
という別れの真言を耳にした時、私はポンと大きく膝を打った(もちろん比喩である)。
この言葉──密教系の家の方にとっては常識かも知れないが──「おサラバ」というのはこの真言からきているのではないか。となれば「仰げば尊し」の「いざ、さらば」の「さらば」もこれが語源か……と思ったのである。
実は以前、これらの言葉に関して調べた際に、「サヨナラ」は「左様ならば」からきているということはすぐに判明したのだが、その時一緒に調べた「サラバ」に関しては、語源の文献が何も見当たらなかったのだ。
思わぬ所で発見。
ということはつまり、本当に完全に完璧に別れる時以外「おサラバ」という言葉を使ってはいけないのであり、また逆に死別する(した)時には使うべき言葉なのだと知った。
写真は──直接関係ないけれど──成田山光明堂。
再校ゲラを何とか無事に返した当日に、再びゲラが我が家にやって来た。まるで西澤保彦さん的スパイラルの世界だ。
しかし、ほぼ『QED』1本分に匹敵するだろうと思われる情報量を(バリバリとかみ砕いて)注ぎ込んだ『カンナ 吉野の暗闘』も、殆どこれで上梓を待つのみに。
続いて「千波くん」を考えつつ「確定申告」に突入。
だが、この物も言えぬほど忙しい中を、ちょっと外出して参ります(何故?)。