先日の「Essay」での「安井金比羅宮」に関して、
「何となく恐ろしそうな気がするけれど、どこがどう恐ろしいのか?」
という疑問・質問にお答えして──。
御祭神は、崇徳天皇・大物主神・源頼政。
なぜ、このような取り合わせなのかということに関しては、今は割愛させていただいて、写真の「縁切り縁結び碑(いし)」。
これは高さ1.5メートル、幅3メートルの巨石だそうで、そこにお参りされた方が「縁切り」「縁結び」のお願い事を書いた形代を貼り付け、石の穴をくぐるというものらしい。
だが「縁結び祈願」は良いとしても、「縁切り祈願」は自分の心の「闇」の部分だろう。それが、こうして堂々と人目にさらされているという事実が恐い。
もしかしたらこの宮も、もともとは鎌倉の東慶寺のように「縁切り寺」「駆け込み寺」的な部分を持っていたのかも知れないが、でも恐い。
誰しも心に「闇」を持っている(これに関しては、劇団四季「オペラ座の怪人」プログラムにも書かせていただいたが)、しかしそれはおそらく、殆どがネガティヴなもののはずだ。それをこうして「○○さんとの縁が切れますように」などと、日の下にさらしてしまうという行為と、その心理が特殊な異様さを持っている。
(もちろん、こっそり行うという貴船神社の丑の刻参りも恐いですが……)
それよりも、あの時、なぜミチルンと一緒にそんな場所に行ったのだろう。
しかも、その前に訪ねた場所は「六波羅蜜寺」……。
実に京都は深い(?)。