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吉野編その2

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 紅葉(もみじば)と並ぶ湯煙 夜の風
                          高田崇史酔白

 上の句には不粋を承知で注釈を付けさせていただきたい。
 石段を何段上り下りしたか分からないほど歩いて取材を終え、やっと宿に入って露天風呂に浸かった。
 するとこれがまた、ひなびているが実に心地良く、時折、紅葉の葉がハラリ……と湯に落ちてくる。そしてふと見ると、湯船の脇には紅葉をすくい取るための網が用意されていた。
 いやいや、いちいちすくい取らなくても良いじゃないか、並んで一緒に入れば――という句なのである。もちろん並んで入ったのは「紅葉という名の女性」ではない。そう思ってしまった方は、自分の心の汚れに気付くように。

 そしてまた、この露天風呂の何が素晴らしかったと言って、湯船の側に樽酒が用意されており、飲み放題だったのである(結局はそれか!)。
 こうして吉野の夜は、美味しい地酒とともに深く更けてゆくのであった。

 吉野編、まだ続く。

吉野編その1

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 写真は修験道根本道場「金峯山寺 蔵王堂」と、夕暮れ空にかかる月。
 
 無事に吉野から戻って参りました。
 これは全くの偶然だったのだけれど、吉野に出かけた日が祖母の命日で、数えれば27年目だった。そして、これもたまたま耳に挟んだのだが、金峯山寺では毎日午後5時の勤行があり、そこには誰でも参加できるのだという。
 これは「流れのままに」「縁を大切に」が信条の私としては、参加しなくてはならないだろうと思い、その時間まで近くの小さな神社やお堂などを見て回り、勤行に参加した。

 修験道の勤行は初めて参加したのだけれど、いきなり法螺貝の大音量から始まったのには驚いた。それに続いて大太鼓の音が堂内に響き渡る。そして読経、焼香。
 それらが終わると、すっかり陽が落ちて蝋燭の明かりだけの中を、般若心経を唱えながらぐるりと堂内の回廊をまわって拝礼した。しかし所々で仏像(金剛蔵王像や役行者像や如来像)などがユラユラと揺れる顔を覗かせ、異様にスリリングな体験であった。
 しかしこれで祖母も、しっかり供養されたことと思う……のだが。

 吉野編、続く。

メフィスト

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 祝「メフィスト1月号」発売。
 マイ・シスター・ミチルンが「QEDトリビュート」として、『薬剤師とヤクザ医師の長い夜』を書いてくれています。変な状況下での「崇&崇」の危険なシチュエーションでのお喋りで、とても面白い(私は2度ほど吹いてしまった)。ぜひお手に取ってみてください。
 あ。ちなみに私も『QED~flumen~出雲大遷宮』を書きました。
 平成20年(2008)、41歳の桑原崇と42歳の小松崎良平と、某女性の妹の3人が、出雲大社本殿特別拝観に行くというお話──。

『カンナ 天草の神兵』の再校ゲラを戻して「鬼の鬼平チェック」も何とか終了。
 明日、吉野に旅立つ予定。
 何点か『吉野の暗闘』の最終確認をしながら、久しぶりの単独取材旅行である。今回は、ミチルンもI川《鬼平》さんもいないので珍道中にはならないのが少し淋しい気もするが、ではでは行って参ります。

明月院

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 何となく……。
 鎌倉・明月院の円窓。

 そういえば(前回の鬼で思い出したわけではない)。
 私はご覧のように全く嘘を書いていないのに、I川《鬼平》さんはどうもここの内容に不満があるらしく、
「ぜひ高田さんの『Essay』に『鬼平の独り言』コーナーを作って下さい。真実の声を投稿しますから!」などと言う。
 しかし、いくらクリスマスが近いからといって、そんな儚い少女(?)の願いは叶うわけもないのであった。

カナリヤレコード

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 写真は懐かしいレコード。
 カナリヤレコードの「一寸法師」である。ちなみにこの78回転のレコードは、直径20センチ、厚さ1.5ミリ、重さは何と120グラムもある。密かなコレクション(というより、ただずっと家に残っていただけ)の一部。

『天草の神兵』再校ゲラをI川《鬼平》さんに送付。これで取り敢えず1月刊までは(多分)クリア。
 続いて3月刊行予定の『吉野の暗闘』に突入しつつ、ケニヤくんのお見舞いに行き、そこで開催されたプチ・クリスマスパーティに参加した。大学時代の懐かしいメンバーが集まり、昔のとても危ない話題を肴に飲んだ。
 卒業して25年も経つと、殆どの出来事が時効を迎えているので、誰もが恐いもの無しなのが、かえって恐ろしかった。

恵比寿の夜

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 恵比寿ガーデンプレイスの、クリスマス・デコレーション。たまには、こんな風景も撮る。

 I川《鬼平》さんとお会いして、1月刊行予定『カンナ 天草の神兵』の再校ゲラを受け取る。
 次回作の内容は、もちろん「島原・天草の乱」に関してちょっと(私的に)閃いたことなのだが、この題名で「天草四郎」について触れていなかったりしたら間違いなく殴られるだろう(誰に?)
 その場で、3月刊行目指し中の次々回作『カンナ 吉野の暗闘』のプロットについての侃々諤々。
 非常に有益なアドバイスを多々受ける。なるほどなるほど、さすが熟練編集者、ありがたいありがたい……。
 などと感心&感謝していたら、私の来年の予定の話になり、一気に青ざめた。
 夏までに『カンナ』3冊。秋口に『QED』──。
(大きな声では言えないが、初夏の頃に『毒草師Ⅲ』を予定している)
「1年間で書き下ろし4(5)冊???」
「頑張りましょう!!!」
 ということで、次々々回作の『カンナ 奥州の覇者』の話や、「講談社 書き下ろし100冊」として書かせていただく予定でいる『鬼神伝 龍の巻』の話などなど……。

 その後は楽しい飲み会に突入。
 講談社他部署の方や怪女マダムJJも加わって、「寝ている間に歯が割れた」JJの話などで盛り上がったのであった。

昨日の補足

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 すみません、説明不足でしたので改めて──。

 この表紙の写真を見て、最初は「あれ?」と驚く。
 続いて「ああ、多分こんなことだろう」と思って納得(苦笑い)する。
 しかしその後で、女の子の足元の影を発見してゾッ……とするのだ。
 というのも、最初に考えついた方法では、こんな場所に影ができるはずがないからである……。

 ということでした。

懐かしいQuark

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 写真は、我が家の図書室でガサガサと資料探しをしていた時に見つけた20年前の「Quark 別冊」(昭和63年4月号)で、芦ケ原伸之さん監修によるパズル特集。
 表紙は、CGでも絵でもない、普通に撮られた写真。
 20年も前にこんなことを考える怪しい方がいらっしゃって、実に嬉しい限りだ。
 さて、この立体は一体どうなっているのでしょう?

『カンナ 吉野の暗闘』のプロットを、I川《鬼平》さんにメール。
 明日はそれをもとに打ち合わせ&資料の受け渡しなど。
 その後、仕事関係の色々な方とお会いして楽しく飲む予定。しかし、そこにはI川《鬼平》さんだけでなく、怪女マダムJJも同席されるということで、相変わらず厳しい日程は微塵も揺るぎそうにないのであった。

十和田神社

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 久しぶりにパソコンショップへ行ったら何と、32GBのUSBメモリが7000円もしないで売られていたので、びっくりして思わず購入してしまった。
 確か2年ほど前に、1GBのUSBメモリを1万円で買ったような記憶があるが、時の流れは恐ろしく早い。
 早速、パソコンの中の画像をすべてUSBにコピーした。

 上は、その整理の途中で見つけた昔の写真。
 十和田神社の「占場(うらないば)」へと続く鉄のはしごである。
 ちなみに、画面上で微かにエメラルドグリーンに見えているのは十和田湖面。つまり、神社の裏手からこの恐るべきはしごを伝って、十和田湖畔まで下りることができるのだ。

カンナ豆本

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 先日サイン会を開いていただいた「ブックストア談」の中野さんから、『カンナ』の豆本(但し中身は白)が届いた(右端の本が実物)。
 これは中野さんの手作りで、当日サイン会場に飾られていた物だが、とても素敵だったので無理を言っていただいたのである。
 ありがとうございました。新年会の賞品にさせていただきます。

 ちなみに、真ん中に屹立しているのはメフィスト賞のシャーロック・ホームズ像であるが他意はない。